変形性膝関節症について

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変形性膝関節症の初期症状に対して有効な手立てはあるのか

RELEASE:2018-10-02
UPDATE:
膝の痛みに悩んでいる方で、変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)という疾患名を耳にしたことがある方も多いかと思います。
変形性膝関節症は進行性。時間とともに徐々に悪化し、最終的には人工関節が必要になるケースもあります。ただ、初期段階で適切な対処を行えば、痛みを改善しつつ、病気の悪化速度を抑えることは可能です。
ここでは、変形性膝関節症の早期発見・早期治療介入につながるセルフチェックのポイントと、初期の変形性膝関節症に有効な対処法について解説しています。

考えられる初期症状

変形性膝関節症の予後を良くするポイントは、何と言っても早期発見・早期治療につきます。まずは早期発見につながる、絶対に知っておいていただきたい初期症状をご紹介しましょう。もしあなたが40代以上で、かつ特に膝を酷使した記憶がないのに以下の症状が当てはまるようなら要注意です。今はまだ「多少気になるけど、我慢できないほどではない」とお感じかもしれませんが、こうした初期段階からご自分の膝の状態を注意深く観察するようにして、なるべく早めの受診を心がけて欲しいと考えています。

①朝起きたときにこわばり感を感じる

朝起きた直後など、長時間横になった後に動こうとすると、膝が固まったように感じることはありませんか? こうしたこわばり感は、代表的な初期症状の一つ。たとえ日中は普段通りに生活できていても、膝に何らかの異常が起こり始めている可能性は高いです。

②立ち上がるときに痛みを感じる

あぐらや正座といった姿勢から立ち上がろうとするとき、膝に痛みを感じることはありませんか? 日常生活では良くある動作ですが、片膝に全体重がのしかかる瞬間、膝には大きな負荷がかかっています。膝関節が損傷していると、今まで何気なく行ってきた動きでも痛みを感じます。

③歩き始めが痛い

歩き始める最初の何歩かは痛みを感じるものの、しばらく歩いているうちに気にならなくなるということはありませんか? これは専門的には「スターティングペイン」と呼ばれますが、このような場合も要注意です。気にならなくなるからといって放置していると、知らず知らずのうちに膝関節の損傷が進行してしまうことがあります。

④階段の下りが辛い

階段で、特に下りを億劫に感じていらっしゃいませんか? 片足で全体重を支えた後、重力に任せて勢いよくもう片方の足に体重移動するその瞬間、膝が体重を支えきれずに不安定になり、時に転倒してまうことも。このようなことも、多くの患者さんが経験するところです。

⑤しゃがんだときに違和感がある

最近、和式トイレをなるべく避けるようにしていませんか? 深くしゃがんだときに、膝の裏がきついような、重苦しいような感覚になるという訴えは、変形性膝関節症の患者さんから良く聞かれる初期症状の一つです。

痛みの原因

加齢や半月板の損傷などによって膝軟骨に大きな負荷がかかると、これによって軟骨がすり減っていきます。この時に軟骨の削りカスが膝の中に溜まり、その結果、滑膜(関節の内側の組織)が炎症を起こします。この炎症こそが痛みの原因です。つまり、痛みを抑えるためには炎症を抑えることが重要だということになります。
なお、炎症は組織を回復させるための生体反応で、その過程では関節液が産生されます。変形性膝関節症を患う膝にしばしば「水」が貯留する背景にも、この炎症が関与しているのです(ちなみに軟骨には神経が通っていないので、軟骨が削れること自体で痛みを感じているわけではありません)。

一般的な対処法

変形性膝関節症の初期症状がある方に対して、多くの医療機関では次のようなことを行います。いずれも痛みの緩和が目的の対症療法です。

生活指導(減量・筋トレ)

生活指導としてまず勧められるのが、減量と筋トレです。いずれも膝にかかる負担を減らすことが目的とお考えください。減量は膝にかかる負荷を減らすために、筋トレは膝にかかる体重を支えるための筋力アップを狙います。筋トレで強化が望まれるのは、主に太ももの筋肉である大腿四頭筋です。場合によっては、関節の可動域を広げるストレッチを勧められることもあるでしょう。
一つ注意していただきたいのは、これら筋トレやストレッチは我流で行わないということです。膝の症状に応じて内容や頻度を考慮しないと、かえって状態を悪化させてしまうこともあります。理学療法士など専門スタッフの指導のもとで進めてください。

物理療法

運動以外の方法で運動機能の回復を図る理学療法の一種です。具体的には入浴やホットパックで患部(膝)を温める「温熱療法」。膝の周辺に電気を流すことで筋肉を収縮させ、これによって血行の改善と痛みの緩和を図る「電気刺激療法」。痛んでいる部位に遠赤外線を照射する「光線療法」などがそれにあたります。

薬物療法(内服薬・注射)

炎症を抑えてくれる痛み止めの内服薬や外用薬が処方されるのが一般的です。また、損傷した膝軟骨を保護するために、ヒアルロン酸の注射を勧められることもあります。さらに強い鎮痛効果が必要な時には、ステロイド(注射)の処方を検討されることもあります。

再生医療という選択肢も

前項で紹介したものは、どの整形外科でも保険診療の範囲で受けることができる、ごく一般的な治療法です。では、当院が行う再生医療は、こうした初期症状を呈する患者さんにも有効性が期待できるのでしょうか? 
答えは「YES」です。
再生医療というと、何か小難しいものとか、よほど重症の人が受けるものといった印象を持たれるかもしれませんが、決してそんなことはありません。「再生医療=重症患者さんのための選択肢」という印象は、結局は費用面での負担が影響しているのだと思います。決して気軽な金額ではありませんから、そう思われるのかもしれません。だから多くの方は、もう人工関節にするしかないという土壇場になって初めて、再生医療という選択を検討されるのでしょう。
ただ、より高い効果を引き出すためには、それでは少しもったいないというのが私の考えです実感としても、膝のダメージが軽度な方の方が、再生医療をの予後が良好だという印象を持っていますし、そうしたことを裏付ける院内データもあります。当院では脂肪中の幹細胞を活用する「培養幹細胞治療」という再生医療を提供しています。一般的な病院で行う治療との大きな違いは、一度の施術で長い効果が見込めることと、いずれは人工関節が必要になるという不可逆的な流れをかなりスピードダウンできるということです[1]。
ご自分の膝が再生医療で十分に改善が見込めるかどうかが気になるという方に対しては、事前に適否を判定する問診を行ったり、場合によってはMRI検査も受け付けています。MRI検査では、再生医療の適否だけでなく、レントゲン等のX線撮影で描出される以前の初期病変も確認可能なので、今後の治療方針の決定にも有効だと考えています。興味をお持ちいただけましたら、一度カウンセリングにお越しください。
培養幹細胞治療が痛み評価スコアに与えた影響

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