変形性膝関節症について

OA KNEE

変形性膝関節症のサポーター【医師が伝えておきたい選び方と使い方】

RELEASE:2019-02-01
UPDATE:

「膝が痛いからサポーターを使う」とはよく聞きますが、サポーターについて、正しく知っていますか? きちんと役割を理解せず、ただ漫然と使い続けるだけでは、少しもったいないと感じます。また、膝のサポーターには種類も非常に多く、似たような文言が並んでいますから、どう選んだらよいか迷ってしまう人も多いでしょう。

そんな方のために、ひざを専門に診療している私たちが、サポーターの作用や選び方、使い方について、当院での事例を交え見解をお話しします。痛みを早く改善して生活を少しでも楽にするために、まずはこの記事から目を通してみてください。

なぜサポーターを使うのか

サポーターを着けることで膝の痛みが緩和されるのは、主に3つの作用と関係があります。

①膝の冷えを防ぐ
身体が冷えると血流が滞ったり筋肉が硬くなったりして、痛みを感じやすくなります。これは膝も同様。骨折や靭帯損傷といったケガをした際に応急処置として冷却することはありますが、変形性膝関節症の痛みに対しては、まず保温とお考えください。東京医科歯科大学の名誉教授である宗田大先生も、著書の中で「膝の痛みに対しては、保温が基本である」と述べています[1]。また、膝だけではなく、脚全体を冷えから防ぐことが大切です。

②膝を安定させる
変形性膝関節症は、進行する過程で軟骨がすり減っていく病気です。そこで、サポーターを着用して膝を固定・保護し、歩行時のぐらつきを防ぎます。これによって安定感が保持され、膝への負荷も軽減されるのです。

③触圧覚を刺激する
痛みを感じる痛覚よりも早く脳に伝わるのが、何かに触られているときに感じる触圧覚。(しょくあつかく)。サポーターによって膝を圧迫し触圧覚を刺激することで痛覚の反応を遅らせ、痛みを感じにくくする目的があります。ただし、こちらも宗田先生が述べているように、きつくない程度にゆったりと加圧するのが基本です。

最終的な目的は運動できる状況を作ること

変形性膝関節症は完治しませんが、適切な治療によって進行を遅らせることは可能です。その中心となるのが運動療法[2]。詳しくは下記に挙げている関連記事でもお話していますが、重度の変形性膝関節症を患っている人にも有効とされる治療法です。

しかしながら、痛みがあったり膝がぐらついたりするなどの不安があれば、運動に対して前向きな気持ちにはなれません。運動をしないでいると炎症が悪化し痛みが増長されるともされており、この悪循環はどうにか断ち切らなければならないのです[3]。そのために使うものがサポーター。文字通り、運動療法をサポートする道具というわけです。
[関連]変形性膝関節症の運動療法【その効果とトレーニングメニューを公開】

変形性膝関節症の悪循環と好循環とは

正しい選び方

では、サポーターはどのように選ぶのが良いのでしょうか。下記の2点を参考にしてみてください。

①用途に合ったもの
当院の患者さまは、コーワというメーカーのバンテリンサポーターを使用する方が多い印象です。CMでもよく見かけるので、広く認知されているのでしょう。メーカーからの説明を例にとると、日常動作補助タイプ、保温タイプ、高通気タイプ、加圧タイプと用途が分けられています。

バンテリンに限らず、他メーカーのサポーターでもタイプ分けされているのを見かけますが、この場合、どのようなときにサポーターが必要か、ご自身の生活スタイルを考えて選ぶのが良いでしょう。ただし、ひざ専用でも変形性膝関節症のための商品とは限らないので、その点はご注意ください。

②使用感の良いもの
用途に合っていても、大きすぎたり小さすぎたりすれば効果は薄くなってしまいますし、着けていて不快感があれば継続的な使用ができなくなるかもしれません。必ず、ご自身に合っていると感じるものを使うようにしましょう。

サポーターの用途と使用感の2つに問題がなく、十分に役割を果たしていると思われる場合、価格やデザインは不問ですし、絶対に変形性膝関節症用のものでなければならない、とも考えていません。

あくまで治療の補助としての使用を推奨

最後に注意点として、サポーターを使っても変形性膝関節症が治るわけではない、ということにはご留意ください。サポーターの装着自体は、治療とは言えません。目的としては、運動療法を行える環境を整え、変形性膝関節症の進行を遅らせるために必要な筋肉を衰えさせないこと。あくまで補助として使用するようにしましょう。

自分に合ったものを見つけるまでは試行錯誤となりますが、痛みを緩和できれば、あとは積極的に運動を行い、好循環を作り出すのみです。具体的な運動の方法については、下記詳細記事をご参照ください。
[詳細]変形性膝関節症の運動療法【その効果とトレーニングメニューを公開】

ページの先頭へ戻る