石橋 徹院長
Toru Ishibashi
福岡ひざ関節症クリニック
プロフィール
PROFILE
医師として一貫してこだわるのは「未解決の問題の解決」。常に現時点の最新エビデンスと、それに基づいて確立された方法論をアップデートさせながら、日々、研究や臨床に取り組んでいる。整形外科医としてはこれまでに1,000例以上の手術を手がけており、とりわけ専門のリウマチ領域では、高度破壊関節の再建手術と薬物療法に携わってきた。
目下のテーマは「限りなく自然治癒に近い治療法の追求」。生体が本来備えている優れた機能を見出し、その作用機序を解明すること。さらに臨床応用への道を探り、侵襲と副作用を最小限にできる治療法の確立を目指している。
経 歴
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- 1988年
- 九州大学医学部卒業・同整形外科入局
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- 1994年
- 九州大学大学院 外科系研究科 博士課程 修了
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- 1995年
- 日本学術振興会特別研究員/九州大学整形外科
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- 1996年
- 米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員
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- 1998年
- 九州厚生年金病院 整形外科
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- 1999年
- 国立病院機構九州医療センター リウマチ科
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- 2004年
- 生物分子工学研究所 主席研究員
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- 2009年
- 原土井病院 整形外科部長
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- 2015年
- ハウステンボスサテライトH2クリニック 博多院長
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- 2015年
- アニコム先進医療研究所 取締役
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- 2020年
- 福岡ひざ関節症クリニック 院長
資格・免許
- 医学博士
- 日本整形外科学会認定 専門医
- 日本リウマチ学会認定 専門医
所属学会
論文・学会発表
学術論文
インタビュー
INTERVIEW
石橋院長が考えていること、診療や患者さまへの想いをお伝えします。
精力的な研究の原動力はなんですか?
未知なるものへの探究心です。
医学は科学技術全般の進歩を取り込みながら発展してきました。ただその一方で、未解決の課題も山積です。例えば関節リウマチなどの自己免疫疾患や、急速に進行する局所の老化、あるいはがんなどは、治療法が進歩した今なお、その本質的な原因は明らかになっていません。
私はこれまで、こうした未解決の課題に積極的に取り組んできました。体に本来備わったメカニズムの神秘を追求し、そこで得た知見をどうすれば臨床に役立てられるか、どうすれば患者さんの負担にならない治療に変えていけるか。その探究こそが、私のライフワークと言っても過言ではありません。
なぜ、再生医療の道を選んだのですか?
当クリニックが取り組む幹細胞や血小板成分を用いた再生医療が、ほとんど全ての治療法を助ける段階に入ったからです。これまで追求してきた生命が本来持つ修復力を活かすという理想に近づいていることを確信しました。
この20年間、医学はめざましい進歩を遂げましたが、一医療者として、こうした現状に満足していたわけではありません。薬剤の長期服用による副作用、手術の周術期に考慮しなければいけないリスクや入院の負担など、いくつもの課題が未解決のまま残されていたからです。医学的な介入が結果的に患者さんを苦しめてしまう現実に、もどかしさを感じていたのかもしれません。
私はしだいに、副作用が小さく、患者さんに大きな負担を強いることのない医療、自然治癒に限りなく近い回復を目指す医療について深く考えるようになりました。
目覚ましい進歩を遂げつつある再生医療が大きくクローズアップされました。組織を置き換えるのではなく、本来組織が持つ修復力と再生力を促すことのできる再生医療は、患者さんの身体的な負担を軽くする段階に入ったのです。それを目の当たりにした私は、再生医療の臨床に携わってみたいと思うようになりました。
ひざ関節クリニックではどんな医療を目指しますか?
当院は膝関節治療に特化していますが、治療する際に大事なことは、局所的な視点ではなく、全身を視野に置くことだと考えています。例えば、膝関節の機能不全に起因する痛みや歩行障害は、関節軟骨だけの問題ではありません。力学的な不適合や血管機能の低下と、それに伴う局所血流の減弱、関節を構成する筋肉の萎縮、さらには生物学的な修復刺激の不足などもその要因と考えられます。
下肢全体の機能、身体全体の動きを考慮した再生医学のアプローチが重要なのです。関節機能を改善することで、全身状態も活き活きとなり、それによって関節機能がさらに良くなる。そんな好循環をもたらす医療を目指したいと思っています。