ドクター大鶴 任彦
Doctor
プロフィール
PROFILE
インタビュー
INTERVIEW
自由診療を選んだ理由はなんですか?
再生医療は今しかやれない
人工関節置換術や骨切り術、関節鏡手術など、いろんな患者さまのオペに専念する中で、保存加療の重要性や素晴らしさに気づいたからです。
手術加療は絶対的な治療法だと思っていましたし、そう教えられてきました。だからこそ、20年間勉強して、学会発表や論文作成もたくさん行ってきました。もちろん手術を受けた患者さまも良くなって喜んでくれますが、そうでないケースも往々にしてあります。そんな中で、一見軽視されがちな保存加療を見直すようになったのがきっかけでした。それに、まだ誰もやっていない再生医療は今しかやれない仕事だと考えました。
ひざ関節症クリニックを選んだのも、エビデンスやコンセンサスを得られていない治療をやっているからです。医師は医療に従事するだけでなく、トピックスの発信することも重要です。毎年各種学会に演題を出しているクリニックで、まだ誰も知らないトピックスを作る充実感に魅せられました。
不安はありませんでしたか?
悩む前にやってみよう
特に不安はありませんでした。確かに自由診療はまた違った分野でしたが、僕は”悩む前にまずやってみよう”という性格で、極端な話、嫌なら辞めればいいと考えていました。大学時代、専門分野もまったく同じ気持ちで決めました。
そんな感じで入職して1年くらい経ちましたが、トラブルはまったくありません。もちろん、辞めようと思ったこともありません。
やりがいはどんなところで感じますか?
思いがけない効果に驚くことも
手術しかないと言われた患者さまが当院の治療を受けられて、思いもかけない効果があった時は、驚くと同時にやりがいを感じます。最近の例で言うと、MRIで大きな半月板損傷が確認された患者さまでそういうことがありました。ロッキングも呈していましたが、PRP-FD治療を行ったら痛みが軽減されただけでなく、ロッキングまで消失していたんです。
確かに先輩から教わってきたことや、すでに発表されているエビデンスは極めて重要だとは思いますが、それだけが医療のすべてではない、と実感しました。こういうことは、大学にいたままでは経験できなかったと思います。
逆に苦労する点はなんですか?
同意を得るには時間が必要
自由診療なので、患者さまもきちんと納得されないと治療を受けたりはしません。そういう面で、患者さまやご家族に説明して同意を得るために、大学病院時代よりも圧倒的に時間が必要なことがわかりました。保険診療と同じように、多くの患者さまを短時間で診なければならないというのであれば、それが苦労になっていたかもしれません。
ただ、ひざ関節症クリニックは幸いにも完全予約制なので、お一人の診察や説明に1時間かけることができます。休み明けでカルテが山積み、ということもありません。自由診療という特殊な医療形態の中で何に追われることもなく、十分時間を取ってご説明することができています。
ひざ関節症クリニックで良かったと思うことはなんですか?
再生医療学会で講演する機会を獲得
新しいトピックスの発信に携われることが入職の決め手のひとつ、ということは先ほどお話しましたが、3月に神戸で開催された第18回日本再生医療学会で、シンポジストとして講演しました。通常に業務を行っていたらめったにない、このようなチャンスを早速いただけたのが良かった点です。
あと、周りのスタッフにも恵まれています。満足してもらおうと、しっかり教育されたスタッフが全員で一人の患者さまをケアしていく体制は本当に心強いです。
自由診療に転職を考えている方へメッセージをお願いします
意識すべきことは保険診療と同じ
現在、東京女子医大整形外科の非常勤講師も兼任しています。僕自身はやってみようという気持ちで飛び込めましたが、多くの医学生や研修医を指導してきましたから、人によっては自由診療という特殊な仕事に従事することをためらう気持ちもよくわかります。でも1年間やってみて僕が思うのは、保険診療同様、インフォームドコンセントをしっかりやることや、トピックスを発信する気持ちを忘れなければ、なんら問題はないということです。
非常勤から勤務し、自分自身に合っているかも検討することができます。ぜひ、治療を広める仲間になってください。